「関西札遊び」木藤 富士夫写真展 | 写真の専門学校 日本写真芸術専門学校

穂積さんが日本写真芸術専門学校に入学しようと思ったきっかけは?

2001年新潟産業大学に入学し、大学卒業後、新潟大学大学院に編入しました。 09年3月修士課程修了した後、09年から2年間、民間企業で貿易関係の企業で勤務してきました。 大学では人文学部で日本語や文化・歴史を学び、大学院では考古学・歴史などを学んできました。貿易会社では中国製品を日本に輸入していました。 写真は昔からやっていました。あくまで趣味ですが、風景写真がメインでしたね。日本に来た一番の理由も実はNIKONの機材を使いたかったからなんです。でもその時は写真を仕事にしようとは考えてはいませんでした。
日本に来て貿易の仕事を続けていくうちに一生サラリーマンはつまらないと思い始め、本気で写真を勉強することに決めました。
他の学校も見学しましたが日本写真芸術専門学校は全体の雰囲気がとても良く、ドキュメンタリー系のイメージが強い印象でした。何よりも竹内先生がいらっしゃったのが入学を決めた大きな理由のひとつですね。

フィールドワークゼミに入学したのは?

やはりサルガド先生のワークショップですね。私は1年生のときにワークショップに参加することができました。
サルガド先生の「自分の特色を大切にしてほしい」という言葉がとても印象に残っています。今までずっと自分に自信がありませんでした。サルガド先生のこの言葉は今の自分を形成するためのとても大切なきっかけとなりました。 ワークショップでは1年生の夏にモンゴルに撮影に行ったときの作品を提出しました。その時は風景作品が多かったですね。絵になりやすいものばかりに目がいき、シャッターをきっていました。ドキュメンタリー思考を持っていなかったので、その時の作品は人々の生活に踏み込めていませんでした。ワークショップ以降、人々の生活を表現する必要性を感じ、人をテーマにした作品を撮影するようになりました。このワークショップは私のカメラマンとしてのテーマに変化をもたらしてくれたとても大きなきっかけとなりました。

海外フィールドワークでこのテーマにしようと思ったのは?

◎この作品はいつごろ撮影されていますか?
日本写真芸術専門学校に入学をして4回撮影に行きました。1回の撮影でだいたい1カ月半くらい滞在していました。 ◎作品はドキュメンタリー系ですが、なぜネイチャーフォトゼミを
  専攻したのですか?

ゼミはとても悩みました。ネイチャーフォトゼミに決めたのは「色」です。先生の作品の「色」が好みだったんです。ネイチャーフォトゼミの飯塚先生はドキュメンタリー系の作品も多く撮影されていたので、作品自体もとても僕に合っていると思いました。
◎自国の変貌に対する危機感が前面に出ている作品に見えますが、もともと自国について撮影ようと
  思っていましたか?

私が日本に来たのが2001年でしたが、その頃から中国に大きな変化がありました。中国の経済成長に伴い、石油の開発や石炭の大規模な露天掘りなどが盛んに行われてきました。その結果、砂漠が増え、砂嵐が舞い荒れるなど、中国の環境はどんどん酷くなっていきました。環境汚染が進む一方、人々の生活には自動車やパソコン、携帯電話など便利な道具が浸透しています。移動は馬から車になり、移動式ゲルは定住型レンガの家になるなど、伝統文化にまで変化が起きています。
私は大学で文化等を学んできましたのでもともと興味があったテーマであります。卒業生の清水哲郎さんの作品にも影響を受けました。清水さんは外モンゴルをテーマに撮影されていました。内モンゴル自治区ではネイチャー系の作家さんはいましたが、社会変化をテーマに撮影している方はいませんでした。
そういったこともあり、入学前からこの問題を撮影したいという思いはありましたね。

卒業してから感じた事。

2年間の集大成を様々な方に見てもらえるのがとても嬉しいですし、達成感があります。大きなプリントも初めてですし、とにかく嬉しいです。たくさんの方と話をさせていただいて、努力・思いが伝わることも多く、肯定的な意見をいただくことが多いですね。「人々の生活が見える」や「現実の社会が見える」などの言葉をいただきました。 副校長の樋口健二先生もお越しになっていただきましたが、先生からは「5年10年続けて欲しい」と言われました。私も今思うと5年前から撮影しておけばよかったと思っています。5年前から撮影できていれば、もっと大きな変化を今回の作品展で紹介できたと思います。

これからの活動について。

まずはこのテーマを続けていきます。モンゴルで環境問題などを深く追求していきたいと思っています。あとはもっと広い時間軸で撮影し、発表していきたいですね。 日本も撮影したいと思っています。いつかは日本の雑誌や作品集で作品を発表したいです。
作家という道にこだわりたいと思っています。

みなさんに伝えたい事。

日本のことだけではなく、海外をグローバルな視点をもって見てください。
写真だけではなく、人間として面白く、興味深いことがとても多く存在しています。
それを知ることはその人の人生にも大きく影響すると私は思っています。

富士フィルムフォトサロン東京

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