「Acryl」馬場 智行 写真展

馬場さんが写真学校に入学しようと思ったきっかけは?

大学で就職活動をしていましたが、凄い氷河期でした。特に何かやりたい事があるわけでも無く、プラプラしていました。
ある日、大阪の梅田で飲み会があったんですけど、集合時間前に着いたので、当時開催していた大手デパートの写真展を観に行きました。世界遺産の紹介だったのですが、非常に失礼ですが、「これなら俺でもできる。」と。 大学では考古学を選考していた事もあり、好きな遺跡写真を撮りながら仕事をしたいと思いました。
写真の知識は全く無かったので、4年半、パチンコ店員などをして学費や生活費を貯め、上京しました。近畿にも写真の専門学校はありましたが、東京の方が情報も多いだろうと思いましたし、3年間しっかり勉強出来るという点からも日本写真芸術専門学校を選択しました。

在学中エピソードなどがあれば、教えてください

入学してから感じたんですが...2年制の学生さんに比べ、3年制のクラスメートは野暮ったいというか、あか抜けないというか...失礼な話ですが。
なんだか大学時代(考古学)と同じにおいがしている様な気がしました。年齢もそんなに離れていないとは思いますが、みんなから「ババにぃ」と呼ばれています。まぁ、カメラを勉強するのに年齢も関係ないですけどね。2つ年下のクラスメートとかとは写真についてガチで話すこともしょっちゅうです。

3年次には在学生特待生制度に受かりましたよね。

僕は在学中に結婚しましたので、金銭面では非常に助かりました。奥さんはパチンコ店員時代の元同僚。北海道に居ましたが、東京に呼び寄せました。 一応、入学前には学費や生活費のある程度は貯蓄していました。しかし、結婚により出費も嵩み、大変でした。実は入学するまでカメラが高い。ことも良く知らなかったんですよね。(笑)
特待生制度に受かり、Nikon D3sを購入しました。この作品はそのカメラなんですよ。

この作品はいつ頃から?

2009年10月ころからです。娘と一緒に水族館に行って、ふっと思いました。そのころニュース番組で不妊治療が取り上げられ、新しい医療の現場、人工授精などが紹介されていました。
今、世界は本当に目紛しく変化していて、医療も、科学も、そして環境も・・・ 昔、アニメの世界で「主人公が機械の身体を手に入れたい」というのがありましたが、この水族館にいる魚たちは本当に魚と呼べるのか...? 色々なことが進歩するにつれて、きっと失われるものもあるだろうと。
そんな事を感じながら、この写真で表現しました。

これからの活動について。

就職はしません。(キッパリ)バイトをしながら作品を発表し続けたいと思います。今は、住宅(建売り住宅)に興味があります。消えていくであろう『何か』に目が行くんです。ネタはたくさん出てくる。あとは撮影する時間や表現方法ですよね。今はとにかくたくさん作品を創りたいですね。

これから写真の世界に入る人へコメント

単純な話ですが、撮影しない限りは何もわからないですよね。あと、撮り続けたから展示が出来たと思います。写真に年齢は関係ありません。
とにかく『撮る』だけですよ。

新宿ニコンサロン Juna21 大阪Nikon Salon

このページを閉じる