「ウェディング・ルネッサンス」中川 トモコ 写真展

株式会社イースターエッグに所属し、フォトグラファー兼取締役として活躍中の中川トモコさん。
これまでに650組以上の撮影(2015/12現在)を経験し、プレイングマネージャーとして、自ら撮影をしながら後進の指導に当たっている。
ウェディングからはじまるそれぞれのカップルの人生に寄り添いながら、形にとらわれないファミリーフォト、ポートレートフォトなどを追究・提案をしている。
伝統的スタイルへのリスペクトは強くもちつつ、最新の手法、最高の機材の追求も欠かさない。

日本写真芸術専門学校に入学したきっかけを教えて下さい。

もともと山の写真が好きで、進学の際に大学に進むのか、専門学校に進むのか悩みました。
学校選択の基準としては、硬派なイメージがある学校を。という気持ちを持っていました。
その中で日本写真芸術専門学校の考え方に共感し、門を叩きました。
写真を専門で学べること、中身がある授業内容など、私の考えとフィットしていたことが第一のポイントです。
講師の先生についても魅力的でした。
風景写真で有名な竹内敏信先生(現校長)がいらっしゃったことも大きなポイントでしたね。

在学中はどのように学生生活を送っていましたか?

正直に言って学生時代の私(今も)は、規則正しく几帳面な学生ではなかったと思います(笑)
遅刻もありましたし、課題の提出も遅れてしまったり....

先生たちはみな「本気」で受け止めてくれるので、私達も「本気」でぶつからないといけない。
大学や専門学校になると「本気」ではない学生は置いていかれてしまうのは当然ですが、この学校の懐は相当深いです!
広告写真科(現コマーシャルフォトゼミ)の波木先生に、写真のことだけでなく、マナーや礼儀についても「本気」で叱っていただきました。
生意気な年頃の学生を叱るのは、大変なことだったと思います。改めてお礼申し上げます。
写真のサークル「SHATO」を友人と一緒に創設したことも良い思い出の一つです。色々なことに共に向き合える友人に恵まれた長いようで短い学生時代でした。
日本写真芸術専門学校時代の友人や先生との交流は、今も続き、ともに笑い、楽しみ、歌い、飲み(未成年はXですよ)、喜び合い、励まし合っています。

現在はどのような活動をされていらっしゃいますか?

現在は縁あって、株式会社イースターエッグのフォトグラファー兼取締役として、撮影を主に、各カップル様のお打ち合わせ、RAW現像処理、画像編集、アルバム編集、さらにアナログ手焼きプリント、また時にはお取引先とのパイプ役として、何かと忙しい毎日を過ごさせて頂いています。 本当にありがたいことに、最近は、口コミだけでなく、facebook、LINEなどでも弊社の取り組みや実績を高く評価頂き、お問い合わせ頂くことも増えてまいりました。
ウェディングには美しさに満ちあふれています。そこに少しのエッセンスを加えて、カップルの一生の宝物を創り出せるのですから本当に素敵な仕事だと思います。
反面、ウェディングの現場は分単位の慌ただしさで、(撮影のための)リハーサルもリテイクもありません。メンタルもフィジカルも想像以上に厳しい仕事です。
でも、その時に訪れるフォトグラファーズ・ハイもまた良いものですよ。

作品について教えて下さい。

今回の作品展は日本写真芸術専門学校の校友会会長である中澤会長にお声掛けいただいたことがきっかけでした。
まず第一にお礼を申し上げます。「ありがとうございました!!」

ウェディングの写真展はとても珍しいと思ます。
ウェディングフォトは作品であると同時に、それぞれのカップルにとって人生の中で最も大切なプライベートな宝物の一つだからです。
ウェディングフォトグラファーとして、私(たち)はウェディングを”アート”として送り出したいと考えています。

結婚式ほど素直に素敵なものはそうそうないと信じています。派手婚、地味婚、在り方は様々で良いと思います。
でも、その時の気持ち・瞬間を是非写し止めておいていただきたいのです。私はその一瞬一瞬を全身全霊で写しています。
一組様の結婚式で平均1200枚以上の撮影をします。その一枚一枚全ては、私にとっての作品です。
今回の展示では、中でも思い出深い撮影を中心にセレクトしました。
是非、ウェディングフォトの世界の楽しさ、美しさ、優しさ、暖かさ、静けさ、騒がしさ、そして、その時の皆様の気持ちをお感じ頂ければ嬉しく思います。

日本ではまだ、ウェディングフォトグラファーの指名を考えたことがない方が多数派だと思います。
しかし、アメリカではウェディングフォトは非常にステイタスの高いフォト分野の一つで、それは今自分がプライドを持って仕事をしていることで証明しています。
先にも触れましたが、ポートレート、ランドスケープ、ドキュメント、プレス、アート、スティルライフ、その全てをほとんどリハーサルやリテイク無しに、瞬時に、相当に高いレベルで求められるフォトグラファーなのですから、しかるステイタスを求めて行きたいと思います。

だから私は、”インスピレーション” ”フリーダム” ”イマジネーション”を大切にし、「遊び心がなくなったらダメ!」という思いと、何より「新郎新婦に楽しんでもらうこと」を一番に考え撮影を楽しんでいます。
こうした写真展や日々の活動を行っていくことで、ウェディングフォトの素晴らしさを広く知って頂き、私を含めたウェディングフォトグラファーたちが、もっとカップルに奉仕できる世界にしてゆきたいと願ってやみません。

作品展を開催して感じたことはありますか?

おかげさまで、考えていた以上の多くの写真家、ウェディングフォトグラファー、ウェディング業界の方々、今回の展示の被写体となられたカップルの方々、これから結婚式を控えた方々、一般の方々、そして日本写真芸術専門学校の皆様にお越しいただきました。

ウェディングの業界ではない皆様から、「作品として成り立つ」や「写真作家として成立する」「ウェディングのジャンルの作家として価値がある」などお声掛けいただいたことはとても励みになりました。
継続的に開催できるよう精進して参りたいと思います。

ありがとうございました。

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