「タイトル: 豆のスープ/カンボジア3.0」末永旭 写真展

3年制フォトフィールドワークゼミを卒業した末永さんの展示
海外フィールドワークで見えたものとは?

日本写真芸術専門学校に入学したきっかけを教えて下さい。

はじめて写真に興味を持ったのは、高校時代、部活に入部を推奨する方針で何かしら部活に入らないとと見学に行ったのが〝写真部〟でした。母校の写真部は、北海道内でも、暗室が完備されている写真部で、撮影から現像、印刷とトータルに学んでいく事で写真の魅力に引き込まれていきました。大小問わずに公募のコンテストへ作品応募し、街の写真コンテストでは、応募総数400点以上もの中から最優秀賞を受賞した事もあり、写真初心者だった僕は、どんどん写真にのめり込んで行きました。東京進学を決めたのも、もっと世界を広げたいという一心でした。数ある写真の専門学校の中でも、日本写真芸術専門学校を選んだのは、海外フィールドワークがあるフォトフィールドワークゼミがあったから。学校見学に来て決めました。

海外フィールドワークでの撮影について教えてください。

専門学校進学とともに北海道から上京しました。きらびやかなファッションやごった返す人々よりも、目が止まったのは「ホームレスの人たち」でした。北海道にはいないんです。寒いから存在することができないので。1年生の時に撮影テーマを「貧困」にしました。最初は話しかけることもできず、遠くから望遠レンズを使って撮影していました。当時の担任の先生には当然ながら叱られました。お前は何が撮りたいんだと。そこで、ライターを忘れたふりをして話しかけてみたんです。なんだか怖そうなイメージだったんですが、話してみるととても気さくで、ホームレス仲間たちのコミュニティもあって、取材撮影を通してそれまでのイメージが覆りました。英会話の授業で、明治神宮で外国人10人に話しかけるという課題があって、授業でもコミュニケーションの取り方を学びました。フィールドワークでもとても役立ったことの1つです。海外フィールドワークでも、同テーマで撮影に挑みました。インターネットで検索してもヒットしないような情報なので、大都市や川沿いにポイントを絞って撮影地を決定しました。思い通りにいかないような国もあり、1週間歩いても何も撮影できなかったこともありました。

作品について教えてください。

今回の展示では、3年次に行った海外フィールドワークでの撮影したものと、卒業した年と今年にカンボジアで撮影したものです。卒業した年に撮影しに行った時は海外フィールドワークの延長線上で、足りないパズルのピースを埋めるように、貧困というテーマで撮影していました。今年に入ってからはカンボジアの〝イメージのアップデート〟をテーマに撮影してきたんです。カンボジアって日本人にとって、過去にあった内戦や地雷の影響で危ない国ってイメージが浸透していると思うんです。僕も実際そう思っていましたし。ところが、実際に海外フィールドワークで訪れた時に衝撃を受けました。まだまだイメージ通りの景色は残っていますが、日系企業が支店を出していたり、外資系企業もオフィスを構えていて、成長し発展しているポジティブな姿がそこには存在していました。この衝撃を伝えたくて3週間カンボジアに滞在して撮影しました。偶然の出会いから、カンボジアにあるイオンモールの代表や、現地在住の働く日本人を撮影する事が出来て、スナップ写真よりもリアリティある撮影が出来たかなと思っています。

これからの活動と目標について教えてください。

今年で助手も満了なのですが、まだ今後は決まっていません。ふらりとカンボジアにいるかもしれないです。

みなさんに一言お願いいたします。

写真に関わらず、興味のあるものはずっと続けて欲しいなと思います。
僕は、写真をはじめた事で、今までの固定概念が覆される経験を何度もしました。
写真を通して世界が広がる瞬間をみなさんにも体験して欲しいと思います。

写真展情報

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