校長紹介
写真家 ハービー・山口より
未来の写真家たちへ
日本写真芸術専門学校の校長は、日本を代表する写真家の一人、ハービー・山口。
「生きる希望」をテーマに、長年にわたり人物を撮り続けてきた山口校長から、写真の道を志す皆さんへメッセージをお届けします。

「私たちの人生は年齢と共に老いるのではなく、
好奇心を失くした時に老いるのだ。」
PROFILES
ハービー・山口 プロフィール
1950年東京都生まれ。23歳で渡英し、劇団で役者活動を行いながら写真に取り組む。
1970年代のロンドンにおけるパンクロックシーンでミュージシャンのポートレートを多数撮影し、高い評価を得る。
- 第35回日本写真協会賞受賞「ニューヨーク」でニューヨーク写真展
- またコンサートの撮影や、日本、米国、韓国、中国、欧州等で個展を開催してきた
- 日本写真芸術専門学校校長に就任し、後進の指導にあたる
- 2011年日本写真芸術専門学校 名誉校長に就任
- 「ハービー・山口の、街は見透かした」を朝日新聞で連載執筆していた

INTERVIEW
パンフレット撮影インタビュー

2025年度版パンフレットの表紙は、ハービー・山口校長が撮影しました。
日本写真芸術専門学校の校舎を舞台に、夢を追う学生のきらめきを、光と影のハーモニーによって美しく表現した作品がパンフレットを彩ります。
撮影後に行ったインタビューの模様をお届けします。
今回はいつもの学校で撮るポートレートでしたが、どのように撮影しようと思いましたか?
写真は光と影が作り出すドラマです。その場その場で最大限に光を活用して、いかにドラマチックに撮るかということを考えました。廊下にいい光があれば床に座ってもらったり、窓のブラインドからもれる細い光で遊んだり。またモデルさんと出身地や好きな食べ物の話をする中で打ち解けて、後半は光よりも表情に注目して撮影しました。学校でもこんな写真が撮れるのかと、みなさんの刺激になったら嬉しいです。
たくさん会話しながら撮影されていましたね。
そうですね。イギリスで活動していた時代、硬い表情で知られているキング・クリムゾンというバンドのロバート・フリップさんの、貴重な笑顔が撮れたことがありました。「あなたは非常に礼儀正しい。
日本人はミュージシャンへのリスペクトを持っている」と言ってくださって。被写体との接し方は意識を変えるとても大事なことだと思います。それは有名人だけではなく一般の方でも同じ。被写体の方がいるから、僕は作品を撮ることができる。「ありがとう」という気持ちが「その人たちの幸せを祈ってシャッターを切る」ということにつながり、それが相手に通じるとさらにいい表情になるんです。
入学するみなさんに、学校でどんなことを学んでほしいですか?
被写体は写真家の人間性を見ていると思います。礼儀、好奇心、夢を持つこと、人の役に立つ人間になるということ。たとえ将来、写真の道へ進まなかったとしても大切なことだと思うので、人としてどうあるべきかを学んでほしいです。そして、感性を磨いてほしい。完璧な写真よりも、独自の世界観を持っていることのほうが重要です。うまい下手よりも、その人が紡ぎ出す雰囲気が大事だと思います。
またこれは自分でコントロールできませんが、いい写真を撮るには運も大きいです。僕はイギリス時代、人気者だったザ・クラッシュのボーカル、ジョー・ストラマーに偶然出会ったり、同居人の中にのちに有名人となるボーイ・ジョージがいたり、たまたまいい被写体に巡り合うことがよくありました。それは計算できませんが、いい写真を撮りたいという情熱がある人に神様は微笑むと思います。
やりたいことをして生きていく人生は、とても素晴らしいと思います。写真に興味を持ったら、ある時期、全力で集中して努力するということは、人生に大きな価値を生み出します。何かのきっかけで好きなものが見つかったら、一生懸命努力して、後悔のない人生を送ってほしいです。



WORKS
作品紹介









