卒業生の後藤悠樹さんが、新作の写真集『チュコトカ 始まりの旅――ユーラシア大陸最東端へ』を出版されました(柏書房より2026/01/09刊行)。
ユーラシア大陸の東端、アラスカの対岸に位置する、ロシアのチュコトカ(チュコト自治管区)。本作には現地の広大な風景や、そこに息づく人々の暮らしが収められています。
ロシア情勢の悪化により、現在チュコトカには日本からの渡航ができなくなってしまいました。その近影の記録という意味でも、奇跡的な幸運が結実して完成した貴重な一冊です。
チュコトカは、後藤さんが尊敬する写真家の星野道夫さんが逝去直前に訪れていた地。長年の憧れが叶い、ついに訪れることができたかの地で過ごした日々を、大切に紡いだ写真と日誌で綴りました。
以下、柏書房のHPより引用です。
【あらすじ】
「チュコトカ」――そこはしばしば「地球の果て」とも称される極北の地で、星野道夫(1952-1996)が急逝する直前に訪れていた場所の一つである。
1996年夏、アラスカの対岸とも言えるチュコトカへの旅で、星野道夫はひときわ印象的な先住民の家族と出会い、その家族の写真を撮影し、日誌に残していた。しかし、一連の旅でまとめる予定であった作品は、彼の突然の逝去により、未完のまま歳月は過ぎていった。
それから20年後の2016年夏、偶然の積み重ねにより、ひとりの写真家が、星野の遺した一枚の家族写真を手に、チュコトカへ向かい、新たな旅を始めた。
きらめくツンドラ、吹きさらしの海獣の骨、先住民チュクチやエスキモーの人々の暮らし、そして星野が写したミーシャの一家との出会い……。
旅はまだ、続くはずだった。
2026年現在、アメリカとの国境に位置するチュコトカは、ロシア・ウクライナを巡る国際情勢の悪化により、事実上、渡航不可能となった。
かの地に生きる人々や自然を、写真と日誌で記録にとどめた、奇跡のような一冊。
【本文より】
“私の人生において、再びチュコト半島へ渡航することはもう難しいのかも知れない。しかし、もし本当に私が、この旅を続けることが叶わなくとも、いつか次の世代がこの小さな本を携え、チュコト半島へ向かうだろう。……いつか訪れるその時のためにこの本をここに記す。”――あとがき
“民族の言語の存続とは、親から次の世代へと、たしかに受け継がれるか否かにかかっていますが、この本の旅もまた、途上であるからこそ、それを試されることでしょう。/日本では未だ知られぬチュコトカの、人々の暮らしを伝える作品が誕生したことを、心から喜びたいと思います。”――解説(言語学者・呉人徳司)