日本写真芸術専門学校(以下、NPI)が主催する、高等学校フォトコンテストを3月14日(土)に開催しました。
本コンテストとは、NPIが招待した写真部が集まり、写真表現の力を競い合いながら、創作の楽しさと学びを深めることを目的として実施しています。
当日は8校の写真部が参加。キヤノン様にお貸出しいただいた一眼レフカメラで撮影後、セレクト・編集を行い、組写真を完成させてプレゼンを行いました。
開会後、テーマが発表されると、各チームはすぐに撮影へ。
学内外を舞台に、それぞれの視点で被写体を探し、構図やストーリーを考えながらシャッターを切っていきます。
撮影後は、撮影した写真の中から作品を選び抜き、6~8枚の組写真として構成。
どのチームも時間ギリギリまでクオリティを追求し、真剣な表情で制作に取り組んでいました。
会場では、仲間と意見を交わしながら作品を磨き上げる姿や、納得のいく1枚を求めて何度も撮影に挑む様子が見られ、高校生とは思えない高い熱量に包まれました。


結果発表
厳正な審査の結果、以下の通り受賞作品が決定しました。
【グランプリ 鹿沼商工高等学校】
作品タイトル:「出会い」

審査員コメント:
柳本史歩
「好きに撮ったもので何を表現することができるか?」というプロセスで作られた作品と思います。被写体も距離も撮り方もバラバラです。一見まとまりがない写真ですが、そこに共通しているのは「(AWAYを)楽しむ」という姿勢だと思いました。
作品に対峙していますと、これら8枚の作品だけではなく、そこに至るまでの前後の写真、写っていない部分へ思いが広がり、8枚以上の作品を見た気持ちになります。
「楽しんだ結果が作品にする」というのは写真作品を作る上で大切なこと、幸せなことだと思います。私ごとですが自分はどの写真を撮る上で一番と言っていいくらい大切にしていることです。それは自分が楽しんで作った作品はなぜか作品を鑑賞する側に伝播するからです。この作品はそうした写真を楽しむことを教えてくれるようなものになっていると思います。
また、今作品は8枚を並べた際に黒い背景に白い縁をつけて構成する方法をとっています。こうすることでただ好き勝手に撮ったで終わらずに「見せる」という点においてまとまりを持たせています。こうしたバランスの良さが今回グランプリ作品にさせてもらった要因です。
黒田渉
今回の大会ではどのチームも面白い着眼点を持って撮影に取り組んでおり、発表を見ていて惹かれる写真がたくさんありました。
ただ、グランプリを選ぶ上で重視させていただいたのは「作品としてのまとまり」です。
特定の写真が良く撮れていても、その写真が組写真の中で生きているかどうか。写真をより良く見せるためには、こうした構成を考えることも重要なポイントです。
そういった観点で発表を見たとき、この作品は短い制作時間の中でとても「まとまっている」と直感できた作品でした。
撮影した本人たちが、知らない街で出会ったものが純粋に写真に現れている感覚。それは人との出会いであり、景色との出会いでもある。その感覚がストレートに伝わってくると同時に、この街ではそんな出会いがいろいろな場所で起きていることを想像させる余白もある、前向きで良い作品だと思いました。
【準グランプリ 錦城高等学校】
作品タイトル:「わたしたち、モラトリアム」

審査員コメント:
柳本史歩
モラトリアムは大人の社会責任を一時的に猶予される時期(学生の時期)を指します。社会に保護をされ完全に自立するわけではない、根無草のような時期ですが、そうした時期を送っている自分たちと今回のテーマ「AWAY」に重ねた作品です。この度準グランプリにしたのはこの点で、作品づくりの原動力を私ごととしながら、そこだけに収まらずその世代のもつであろう不安や楽しみのような(普遍的な)真理のようなものを表現しているというところです。
一点リクエストをするとすれば、ロケーションです。撮影場所をより生かした作品がもう数枚入っていると「見る」楽しみがより強調され、一層面白い作品になるでしょう。短時間にこの仕掛けを設計し、まとめたところが非常に秀逸だと思いました。
黒田渉
この時間に、高校生である自分たちだからこそできる表現を試みた、独創的な作品だと思います。
「地に足がついていない」と自認する自分たちの感覚を、そのまま写真として表現し、今回のテーマと合わせて渋谷の街に落とし込んだ点がとても興味深かったです。
撮影のテクニックを実践することはできても、それが作品のコンセプトと合致するかどうかはまた別の話で、その部分で躓いてしまう制作も多いと思います。
その点、この作品は表現方法とコンセプトの関係にしっかりと説得力があり、この短時間の中でそこまでの形に仕上げた点を評価させていただきました。
「地に足がついている」最後の1カットは、よりドラマチックに仕上げることができれば、さらに説得力のある作品になったと思います。
参加校一覧
・伊勢崎工業高等学校
・笠間高等学校
・鹿沼商工高等学校
・錦城高等学校
・向上高等学校
・逗子葉山高等学校
・幕張総合高等学校
・武蔵村山高等学校
最後に
日本写真芸術専門学校では、他にも高校生の皆さんが表現力を磨き、将来につながる経験ができる機会の提供を行っております。
さらにレベルアップしたい、プロから教わる機会が欲しい、自分たちの写真を見て欲しいなど、希望があれば、ぜひご連絡下さい。
日本写真芸術専門学校
TEL:03-3770-5585
Mail:npi.info@ndg.ac.jp