卒業生で写真家の宇井眞紀子先生をお迎えし、特別講義を行いました。
宇井先生は武蔵野美術大学卒業後に日本写真芸術専門学校へ入学され、在学中より写真家・樋口健二氏に師事。卒業後は雑誌を中心にフリーランスとして活動を開始し、1992年から現在まで長年にわたりアイヌ民族の取材を続けてこられています。
今回の講義では、アイヌの方々への取材撮影を中心についてお話しいただきました。
被写体とのコミュニケーションを何より大切にされており、時には衣食住を共にしながら撮影をすることもあるそうです。その中で「撮りたい」気持ちがあっても、撮るべきではない場面を見極める“線引き”の重要性についても深く知ることができました。
「アイヌ100人のいま」の制作では、撮影場所・時間・服装をすべて被写体に委ね、さらに次の撮影相手も紹介していただくという形で進められたため、完成までに7年の年月を要したとのこと。
ひとりひとりの“いま”と向き合いを大切にしたからこその時間だったというお話が印象的でした。
また、「アイヌ」という言葉から無意識にステレオタイプを想像してしまいがちな自分に気づかされ、実際にはおひとりおひとりに多様な生活や価値観があることを作品を通して改めて学ぶ機会となりました。
学生たちは講義に熱心に耳を傾け、講義後には多くの質問が寄せられました。
宇井先生、貴重なお話をありがとうございました！
現在、宇井眞紀子先生の写真展がOM SYSTEM GALLARYにて開催中です。
「 Ena Ku=ani 」
会 期：2025年12月04日（木）～ 12月15日（月）
会 場：OM SYSTEM GALLERY https://note.com/omsystem_plaza/n/n334e870f56f5?magazine_key=m63fa0ad6a296
住 所：〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビルB1F
時 間：10:00～18:00 (火曜水曜休館) 最終日は15:00まで
料 金：入場無料
備 考：トークイベント
作家本人によるギャラリートークが実施されます。
2025年12月14日（日）14:00〜
ゲスト：大宮浩一 氏（映画監督、企画、プロデューサー）
ぜひ足をお運びいただければと思います。